HIGEDARUMAです/
中朝露3カ国周遊旅行の3日目の旅行記です。
琿春からタクシーで南に40キロ、圏河から中朝を結ぶ橋を渡り、北朝鮮へ入国しました。中国と北朝鮮は図們江という川を境に国境となっており、そこに図們江大橋という橋が架かっています。
移動経路① 北朝鮮とロシアに挟まれた国境地帯を南下します。
移動経路② 圏河から図們江に架かる図們江大橋を渡り、北朝鮮側の元汀で入国審査を受けました。
起床・チェックアウト
6時半頃に起床しました。寝台列車での移動で疲れが溜まっていたせいかよく眠れました。昨日は天気が悪く1日中雨でしたが、この日は曇りでした。
7時30分頃にホテルをチェックアウトしました。
宿泊していたホテルHome inn。とても良いホテルでした。
タクシーをピックアップ
ホテルの入り口前の駐車場にタクシーが止まっていたので圏河口岸まで言って欲しいと依頼しました。潔くオッケーしてくれました。
料金は100元で交渉しました。運転手は珍しくメーターを使うよと言ってくれましたが、100元を超えることを見越して100元にしてもらいました。
圏河口岸に到着した頃にはメーターは115元まで上がっていました。
圏河口岸までの移動に使ったタクシー。運転手は気さくなおじさんでとても良い人でした。
圏河口岸へ
タクシーは昨日歩いた琿春の街を南下して行きました。途中ガソリンスタンドを寄ったり、トイレ休憩をしたりしました。
琿春からロシアのポシエト港まで続く線路
圏河口岸の標識。38キロとあります。
市街地からある程度遠ざかると街歩きでは見れなかった自然が見られるようになりました。中露国境の山や平原など、日本とはまた違った景色が広がっています。国境地帯に広がる未開拓の自然、これこそが琿春の本当の見所なのかも知れません。
琿春から圏河まで延びる201省道
道は中国らしく綺麗に整備されています
道のすぐ左側には中露の国境があります
途中、中国と北朝鮮の国境を流れる図們江とその向こう側の北朝鮮が見えるスポットに立ち寄ってもらいました。防川風景区のエリアマップがあり、図們江の向こう側には北朝鮮が見えました。北朝鮮の羅先行きの観光バスも停車していました。
防川風景区のエリアを表す地図
真ん中を流れる茶色い川が図們江で、その向こう側が北朝鮮です。
中国の延吉から北朝鮮の羅先までを直通で結ぶ観光バス
圏河口岸の少し手前で軍用車が走っているのを見ました
圏河口岸に到着
8時半頃、圏河口岸に到着しました。北朝鮮のツアーを手配した旅行会社より圏河口岸には9時までに到着するように言われていたので予定より早く着くことができました。
これまで訪れた香港やマカオ、ベトナムの国境と違って、とても厳重な警備がなされているように感じました。
イミグレーションの敷地内に入るにはパスポートチェックがありました。日本人は北朝鮮には行けないなどと言われるのかとドキドキしましたが、パスポートチェックはあっさり通過できました。
別室で職質を受ける
イミグレーションの建物を撮影していると、入国審査官に指摘されて検査室と書かれた別室に連れて行かれました。
撮影していたカメラとパスポートと北朝鮮の入国許可書を取り上げられて取り調べを受けました。
これが北朝鮮に入国するための入国許可書です。旅行会社からPDFで送られてきました。
入国審査官の中には日本語が少しできる人がいて、日本語と英語、携帯の翻訳機を交えて中国へ来た目的や北朝鮮に行く目的、北朝鮮での観光を終えたらどこへ行くのかなどを事細かに聞かれました。乗り継ぎなどで頻繁に中国に入出国していることもあって、それも併せて聞かれました。
検査室と書かれた部屋にイミグレーションの職員が6人くらい来ていました。その内、取り調べをしていたのは2人くらいで後の人は見物に来ていただけでした。職員は室内(換気扇などはありません)でタバコを吸うなりそのまま床に捨てていました。
北朝鮮への入国の目的などを聞かれた際、取り調べ用の小さいカメラのようなもので撮影をされていました。手荷物も全て取り出してチェックされました。最終その場でイミグレーションに関わる写真データは全て削除されました。最後に次同じことをやれば行政処分になると警告されました。
取り調べには30分程時間を要しました。
HIGEDARUMA
図們江を渡り北朝鮮へ
中国側で出国審査を済ませ、建物の外に出るとバス乗り場がありました。ここからバスに乗って図們江に架かる図們江大橋を渡り、対岸にある北朝鮮の元汀へ向かいます。バスの運賃は5元です。
図們江大橋は比較的新しく、その隣にはこれまで使われていた古い橋がありました。新しい橋は2016年に完成したばかりの橋のようです。
図們江に架かる図們江大橋。真ん中に見える建物は北朝鮮の元汀税関です。
橋を渡り終えたところで北朝鮮兵士による車内チェックがありました。表情は無表情で何かを見つけ出すかのような鋭い目つきで人や荷物の確認をしていました。
北朝鮮側のイミグレーションの建物はふたつあり、1つは新しく、1つは古いものです。バスは古い方のイミグレーションへ向かいました。新しいイミグレーションはどうやら3日前の大雨で道路が塞がれて使えなくなったそうです。
イミグレーションの建物内には案内板などの標識は一切なく、また電気も薄暗く付いている程度で、装飾などは一切施されていません。これまで訪れた国のイミグレーションの中で最もシンプルで質素な作りだと思いました。
図們江を渡って来た中国人観光客は他にもいたようでイミグレーションはかなり混雑していました。僕以外は全員中国人で他の国の外国人はいなかったと思います。
HIGEDARUMA
ガイドと合流・入国審査を受ける
イミグレーションで中国人の列に並んで待っていると、ガイドのKang Cholさんが見つけてくれて声を掛けてくれました。パスポートの顔写真ページのコピーを持っていてそれを元に見つけてくれたようです。
中国人は入国審査カウンターに並んで入国審査を受けるのに対して、日本人はガイドを通して入国審査を行うようです。
入国審査の手順
- 入国審査カウンターの手前にある小さめのカウンターでガイドが持っていたスタンプ押印用の別紙にスタンプを押してもらう。
- 入国審査カウンターでもう一度その別紙にスタンプを押してもらう。順番は並んでいた中国人の列を抜かしていました。
- 携帯・カメラ・メモリーカードを何個持っているか聞かれてガイドがスタンプが押された別紙にメモ。その紙を荷物の検査員に渡して荷物チェック。ここでも全ての荷物を開けられました。
- 荷物検査が終われば税関検査料10元を支払。支払が終われば別紙に領収のハンコをもらう。
- 体温検査機をおでこに当て体温検査。
これが北朝鮮に入国する際の手続きです。他の中国人観光客と比べると審査の過程は多いと思います。入国審査の手続きは全てガイドがリードしてくれるので、僕はガイドの指示に従って動いていただけでした。
元汀税関の図解です。
入国審査後はパスポートはガイドに預けることになります。北朝鮮出国時に返却してもらえます。
バンで羅先へ
イミグレーションの建物を出ると今回のツアーの移動手段となるバンが待機していました。日産の海外生産モデルのかなり古いバンです。バンに乗り込むともう1人のガイドと運転手が乗車していました。
かなり古い日産のバン
かなり古いですが、丁寧に扱われているのが伺えます
ツアーでの移動は常に3人体制。北朝鮮では規定で外国人(中国人を除く)には北朝鮮旅行において2人のガイドをつけなければならないことになっているそうです。理由はひとりのガイドにもしものことがあった時のため。
メインのガイドはKang Cholさんで日本語、中国語、英語ができます。日本語が本当に堪能な方です。中国語も日本語と同じくらいできるマルチリンガルです。
サブガイドのPak Sang Giさんは英語がとても堪能な方でした。中国語も少しできるそうです。
入国審査を受けた元汀から羅先の街までは約40キロ離れており、車で1時間程掛かります。