HIGEDARUMAです/
中朝露3カ国周遊旅行の3日目の旅行記です。
中国の圏河から中国と北朝鮮を結ぶ図們江大橋を渡り北朝鮮の元汀に入国、ガイドと合流後、羅先の市街地まで移動しました。
羅先の街に到着後はそのまま羅先を観光しました。
元汀から羅先の市街地までは約40キロ離れていて、車で1時間ほど掛かります。
ガイドから北朝鮮について教えてもらったことはこのように黄色の枠で囲ってあります。口頭で教えてもらったことをその場でスマホにメモしておいたものです。間違っている場合もありますので、参考程度で見ていただけると幸いです。
元汀から羅先の市街地へ
元汀から羅先の市街地までは約40キロ離れていて、車で1時間ほど掛かります。道中は信号機が無い山道をひたすら滑走していきます。
車窓からの景色①
車窓からの景色②
車窓からの景色③
車窓からの景色④
移動中の1時間は車窓の景色を眺めたり、北朝鮮についてガイドから色々と教えてもらいました。
羅先国際旅行社
ガイドのKang Cholさん、Pak Sang Giさんが勤務する旅行会社。羅先で唯一の旅行会社である。同社には多数のガイドが在籍しているが、日本語と中国語の両方を話せるのはKang Cholさんのみ。他のガイドは全員中国語(または英語)が話せる。日本人は毎年数名が羅先を訪れる。
教育・住宅・医療
教育・住宅・医療は全て無料。国が負担をしている。教育は幼稚園から大学までが無料。住宅は毎年国が建てたものを人民に提供をしている。北朝鮮で一番有名な大学は平壌にある金日成総合大学。
羅先特別市
羅先特別市の大きさは970平方㎞(朝鮮半島全体が22万平方㎞、内韓国が10万㎞、北朝鮮が12万㎞)。人口は約21万人。北朝鮮で唯一の経済特区であり、中国・ロシア・アメリカ・カナダなどの国の企業が進出している。その影響もあって人民元がかなり流通している(観光客は基本的に人民元しか使えない)。
北朝鮮の時間
北朝鮮の標準時間は日本と同じGST+9。2017年までは-30分だったが、2018年より日本と同じ時間になった。中国より1時間進んでおり、ロシアの沿岸地方より1時間遅れている。
風景であれば窓から写真を撮っても良いそうですが、本来はダメなようです。ガイドによって対応が異なるようで今回は特別に許可をしてくれたので写真を撮れました。写真撮影に関しては、都度その場で写真を撮って良いかをガイドに確認する必要がありました。
人が多い場所(例えば街中)や工事・建設途中の建物、金日成・金正日の銅像・肖像画、古い住居や市場などのあまり景観が良くない場所では写真撮影ができませんでした。そういった写真が外部に出回り、変な印象を与えないようにしているようです。
途中には羅先で有名なミネラルウオーターの製造工場があったり、一般の市民が暮らす集落がありました。農作物をする人や道路を徒歩や自転車で移動している人を見ました。
北朝鮮の一般的な建物
ロシアまで続く線路
ミネラルウォーターの工場
トラックの荷台に乗って移動する人たち
北朝鮮の一般的な平屋の住居
中国と違い、道路と畑以外は人の手による開拓が行われていないので、景色はとても綺麗です。日本に似た景色もあれば、中国の防川風景区で見たような景色もありました。
羅先の市街地の景色
昼食
1時間後、羅先の街に到着しました。そのままの足で街の中心にあったレストランに昼食を食べに行きました。
昼食を食べたレストラン
予約がされていたのか個室にはすでに食事が用意されていました。2人のガイドと運転手、僕の4人で昼食を食べました。円卓に出された料理を各々の取り皿に移して食べるスタイルです。料理は最初は4品ほどが置かれてあって、そこからコース料理のようにどんどん料理が出てきます。終いには円卓のテーブルが料理で埋め尽くされていました。
個室の様子
気になる味ですが、とてもとても美味しかったです。もちろん観光客用に良い料理が出されているとは思いますが、味付けが日本人に食べやすい味付け(日本の味付けとほとんど変わりなかったように思います)でとても食べやすかったです。
本当にどれも美味しいものばかりでした
個室の前の方にはテレビがあり北朝鮮の音楽(カラオケのようなもの)が流れていました。
ガイドと運転手は釘付けになって見ていました
ホテルにチェックイン
昼食後はホテルにチェックイン、2時間ほど休憩しました。
ホテルの3階は中国のテレビが写り、2階は北朝鮮のテレビが映るということで、どちらかを選ばせてくれました。2階の部屋にしました。
ガイドも同じホテルの同じフロアに宿泊するようです。僕の部屋番号は212、ガイドは203でした。ホテルはごく普通のホテルです。名前は羅先観光ホテル(Rason Tourist Hotel)です。羅先の街の中心にあります。
部屋はツインベットが置かれた普通の部屋でした。エアコンはなく、暑い時は中国製の送風機で室温を調整します。シャワーの湯沸かし器も中国製でした。総じて言うとそこそこ清潔でした。
こちらが羅先で2泊した部屋です
机、椅子、冷蔵庫、テレビなど置いてあるものは普通のホテルと大体同じです
中華製の送風機がエアコン代わりとなります
水圧は弱かったですが、ちゃんとお湯が出ました
部屋の作りは至ってシンプルです
共用廊下です。ホテルらしい感じがします。
ホテルにはWIFIは無く、また中国で使えたSIMカードも圏外のためスマホは一切使えません。
ホテルの外へはガイドの同行無しでは出られません。ガイドは外に出たい時は同行するので部屋まで電話してくださいと言ってくれましたが、仮眠することにしました。
ガイドに何か用がある時はこの内線で連絡を取っていました
外国人旅行者の通信事情
羅先では外国人旅行者はWIFIを含めて、スマートフォンの通信を利用することができない。通信ができるのは北朝鮮で生産・販売されているスマートフォンのみ。
ダンスの発表会
15時にホテルのフロントに集合してツアーを再開しました。
15時半から子供たちによるダンスの発表会があるのでそれを見に行きました。
会場に行く前に子供たちにあげるお菓子を買いに行きました。ダンスが終われば観客は子供たちに感謝の気持ちを込めてお菓子をあげる、そういう習慣があるようです。
スタジアムの隣にあった売店でお菓子を購入。マシュマロ(10元)と飴(15元)を買いました(これらは自腹です)。自分用にチョコクッキー(30元)も買いました。この売店にあるものは北朝鮮製の商品を扱うお店で、売っているもの全てが北朝鮮製のようです。
売店の様子。中国の団体客と被ってしまいました。
売店のすぐ横にあったスタジアム。とても立派です。
ダンスの発表会の会場へ移動しました。市内の北側、坂道を登った突き当たりにあります。会場のすぐ横には金日成と金正日の銅像がありましたが、こちらは撮影は禁止のようです。別途参拝の申し込みをすることで銅像の前まで行けるようです。
会場は広いイベントホールのような場所。数百人を収容できる大きな会場です。席の半分は埋まっていましたが、全て中国人の団体です。羅先市内の観光は基本的に中国人と同じスケジュールのため、場がガヤガヤしていましたが、ガイドのKangさんは良い席が取れるようにと少し早めに移動してくれました。
ダンスの発表会の会場。思っていたよりも広くで綺麗です。
この場所から見学しました。
会場に入ってすぐに停電がありました。ガイドや中国人観光客は全く動揺していませんでした。停電はたまに起こるようです。
しばらくしてショーが開演。5歳くらいの子供から中学生くらいの男女が順番にダンスを披露してくれました。この子供達は学生少年宮殿という学校とは別の日本でいう塾のような場所でダンスを習っているようです。
学生少年宮殿
羅先の街の中心にある学舎。学校とは別の塾のような場所で、学校が終わった放課後に自由に通うことができる。授業料は無料。音楽や電子化学など学びたい分野を専攻できる。
発表会の様子①
発表会の様子②
発表会の様子③
発表会の様子④
会場の前に集まる地元の中学生たち
テコンドー
テコンドーの演武を見に行きました。場所は一般の体育館でテコンドーの他、バスケットボールやバレーボールを練習している姿が伺えました。この体育館は予約をすることで利用できるようです。
テコンドーの演武が行われた体育館
テコンドーは迫力のあるパフォーマンスでした。木の板を割ったり、木の棒で体を叩きつけ棒を折るなど、北朝鮮らしいパフォーマンスがありました。男女それぞれでパフォーマンスがありました。
テコンドーのパフォーマンス①
テコンドーのパフォーマンス②
テコンドーのパフォーマンス③
テコンドーのパフォーマンス④
お土産屋
観光客向けのお土産屋に連れていってもらいました。
1店舗目はティシャツや小物、ストラップやマグネットなどを扱うごく普通のお土産屋でした。ティシャツ(200元)・マグネット(20元)・ピンバッチ(10元)を買いました。
観光客向けのお土産がたくさん売られています
アクセサリーもありました
チマチョゴリ、ティシャツコーナーです
値段設定は結構高めです
購入したティシャツとマグネットです。ティシャツにはハングルで「平壌で会いましょう」と書かれています。クッキーはダンスの発表会前に購入したものです。
2店舗目は書物を中心に扱うお土産屋で、羅先のガイドブック(日本語版、10元)と絵葉書(8元)を購入しました。中国語のガイドブックや歴史に関する書物が中心に売られていました。
書物のほとんどは中国語のものでした。
記念切手も売られていました。
これは金正日の思想に関する書物です。中国語で書かれています。
かなり古いガイドブックです。羅津と先鋒が合併して羅先になる前のものです。
北朝鮮色溢れる絵葉書も購入しました
市民公園・羅先港
羅先市内の南にある市民公園に向かいました。羅先港と海辺に面している公園です。
公園の入り口には立派な朝鮮のゲートがあります。ビーチの方へ一直線に遊歩道が伸びていて、道の両端には公園らしい花が植えられています。また遊具もあります。
大きくて立派な朝鮮の門
海辺まで続く遊歩道
綺麗な花が植えられています
遊具もありました
遊歩道を数百メートル歩くと海辺に出ます。ビーチと言うよりは、整備されていない海岸といった感じです。砂浜はありません。向かって正面には島が見え、山の頂上に雲がかかっていて幻想的でした。
整備されていない海岸線
羅先港の沖に見える島。周辺には漁船と思われる船がちらほら見えます。
右手には羅先港があります。ガントリークレーンがある羅先の貿易港ですが、今は国連の経済制裁のため止まっています。野菜や果物、生鮮食品、米などの食料品は北朝鮮内で生産・消費をしていますが、原油などは取れないため密輸しているそうです。
操業を停止している羅先港
夕食
テコンドーを見た体育館の向かいのレストランで夕食を食べました。
昼食と同様、個室で円卓のテーブルに出された料理をみんなでつつきながら食べました。ここにもテレビがあり北朝鮮の音楽が流れていました。
手前にあるサラダと奥にあるポテトがとても美味しかったです。
ご飯はおかわりができます。お茶はトウモロコシのお茶だったと思います。
ガイドのKangさんから北朝鮮のお金の事情について教えてもらいました。
北朝鮮のお金事情
北朝鮮の人は自分が稼いだお金は全て自分の両親に預け入れている。預け入れたお金から自分が使うお金をもらう。稼いだお金を管理するのは両親である。そのため結婚や車を購入する時の費用は全て親が支出をする。
羅先の流通紙幣について
羅先は経済特区であることから人民元がかなり流通している。実際、ガイドも携帯代と水道光熱費以外の支払いはほとんどが人民元で、給料も人民元で支払われている。観光客が訪れる場所で使用できる紙幣は人民元(場所によってはアメリカドルも使用できるがレートが良くない)のみで、お釣りも全て人民元。観光客には北朝鮮ウォンが手に入らない仕組みになっている(北朝鮮ウォンの国外への持ち出しは禁止されている)。
北朝鮮ウォンの換算レート
北朝鮮ウォンの人民元に対する換算レートは17ウォン≒1元(2019年8月時点)。日本円の人民元に対する換算レートが16円≒1元(2019年8月時点)なので、日本円と北朝鮮ウォンの換算レートはほぼイコールと言える(日本円¥10,000≒北朝鮮ウォンW10,000)。通貨換算アプリでは日本円¥10,000≒北朝鮮ウォンW83,000となっている(2019年10月時点)。
マッサージ
食後マッサージに行きました。これはツアーには含まれていないので実費です。
マッサージの施術をする人は平壌医科大学の学生で専門的な知識を有していてレベルが高いとのこと。
1時間で200元。足(フット)以外は全身マッサージしてもらいました。オイルなどは一切体に塗りませんでした。マッサージというよりは整体に近い感じでした。
ところどころ痛い部分もありましたが、痛いのが北朝鮮式のようです。痛い箇所があれば体に悪いところがあるようです。
マッサージの施術室
ホテルに戻り就寝
20時くらいにホテルに戻ってきました。
スマホが使えないのでやることはありませんが、日記を書いたりAmazon Primeでダウンロードしておいた映画を見たりしました。
ガイドに聞きたいことや困ったことがあれば、部屋についている内線で電話を掛ければ対応してくれました。ホテルのフロントまでなら自由に行き来ができるので、売店まで水を買いに行ったりしました。
ホテルのフロントにある売店。水やジュース、お菓子などが売られていました。
明日は朝8時にホテルのフロントに集合して、羅先とその近郊を1日観光します。