HIGEDARUMAです/
2019年6月にコタキナバルから国際バスに乗りブルネイの首都、バンダル・スリ・ブガワンへ行きました。
朝8時にコタキナバルを出発し、夕方17時にバンダル・スリ・ブガワンへ到着する9時間の長距離バス旅です。途中にはマレーシアの州を超えるための入出境審査があったり、ブルネイの飛び地を超えたりするため、入出国審査が8回もあるなど日本では経験できない貴重な体験をすることができました。
国際バスに乗車した様子や感想などを紹介して行きます。
目次
バス旅の概要
このバス旅の概要を簡単にまとめてみました。
①ルート
旅の全長は約300km。コタキナバルを南下し、サバ州からサラワク州へ入境します。その後ブルネイの飛び地を通過し、再度マレーシアに入国。その後再びフルネイに入国し、バンダル・スリ・ブガワンに到着します。
②所要時間
所要時間は約9時間。途中、計8回の入出国審査と3回の休憩があるので実質バスに乗車している時間は6時間くらいだと思います。
③休憩
休憩は計3回ありました。1回目はサバ州の小さな売店(約10分)、2回目はサラワク州のラワス(約1時間)、3回目はサラワク州のリンバン(約15分)です。
途中の入出国審査場にもトイレがあります。
④入出国審査
途中、計8回の入出国審査があります。
サバ州出境→サラワク州入境→マレーシア出国→ブルネイ入国→ブルネイ出国→マレーシア入国→マレーシア出国→ブルネイ入国
入出国審査場に到着したらバスを降り、入出国審査を受けます。終わればバスに戻ります。
⑤運転手
運転手は2人います。途中のラワスでの休憩で運転を交代します。
休憩の時間や出発時間などわからないことがあれば彼らに聞いたら教えてくれます。とても親切でした。また英語が通じます。
バスターミナルへ
バスはKota Kinabalu City Parkの隣にあるSipitang Express Bus Stationから出発しました。
コタキナバルの町の中心にあり、市内のホテルからなら歩いて行くことができます。
↑Sipitang Expressの出発場所↑
あらかじめSipitang ExpressのHPからチケットを予約していたので、予約完了時に印刷したE-ticketをチケット窓口に提出し、チケットに引き換えてもらいました。

Sipitang Expressのチケット売り場。ここでEチケットをチケットに引き換えてもらいました。当日券も100リンギットで販売されています。

引き換えてもらったチケットです。
チケットと一緒にブルネイの入出国カードを2枚もらいました。

ブルネイには計2回入国することになるので入出国カードは2枚渡されます。
乗車
バスに乗車します。乗客の数は全座席の半分くらいだったと思います。
出発の15分前にバスターミナルに到着しましたが、すでにエンジンが掛かっており、出発準備が完了しているようでした。
乗車時にチケットを運転手に渡し、半券をちぎってもらいました。
バスの車内は日本の観光バスと似たような感じでした。前の席とのスペースは日本の観光バスよりは広かったと思います。
バス内にトイレはありません。
前の景色が楽しめるよう、予約時に一番前の座席を指定していました。
一番前のドアに近い席だったためそこまで寒くはありませんでしたが、エアコンはかなり効いていました。席の頭上でエアコンの風向きや風量を調整できます。

頭上にあるエアコン。吹き出し口を開けば冷たい風が勢い良く吹き付けます。
出発
バスの出発は朝8時でしたが、バスは定刻より5分ほど遅れて出発しました。
コタキナバルの幹線道路を南下して行きます。コタキナバルに近い道は車線も多く、道もきちんと整備されているので快適でした。
市内を離れると道は片側一車線になり、ガタガタな道が増えてきます。
途中、小さなバス停で何度が停車し、乗客を乗せていました。
車内にあるテレビモニターには運転手の好みで音楽や映画が流されていました。
小さな売店で小休憩
出発から約1時間半後、道沿いにあった小さな売店で10分程の小休憩がありました。
売店にはドリンクやお菓子、カップ麺などが売られていました。
有料ですがトイレもあります。30セント(≒約8円)でした。
休憩の途中、激しいスコールが降ってきました。
サバ州・サラワク州の州境で入出境審査
出発から約3時間後、サバ州とサラワク州の州境にある入出境審査場に到着しました。
バスの運転手が「パスポート!パスポート!」と大きな声で案内してくれます。
乗客は全員降りて入出境審査を済ませます。終わればバスに戻ります。
サバ州の出境審査とサラワク州の入境審査は同じ場所で済ませられます。

IMIGRESEN SABAHの窓口でパスポートを渡します。サバ州の出境スタンプが押された後、サラワク州の入境スタンプが押され、IMIGRESEN SARAWAKの窓口からパスポートが返却されます。
審査場の近くにはトイレがありました。ここは無料でした。

入出境場で待機するバス。
ラワスで昼食休憩
出発から約4時間後の12時にサラワク州の小さな町、ラワス(Lawas)に到着しました。
ここで1時間の昼食休憩を取りました。13時に出発となります。
バスターミナルの近くにあった市場(Pasar Besar Lawas)の2階にある食堂でチキンナシゴレン(nasi goreng ayam)を食べました。5リンギット(≒約130円)。コタキナバルと比べると物価が安くなっているのが分かります。

バスターミナルの近くにあった市場。1階は野菜・肉・魚を扱う市場で、2階に食堂があります。

食堂の様子。

文句なしで美味しかったナシゴレン。
↑市場(Pasar Besar Lawas)↑
食後、ラワスの町を歩きました。小さな町で落ち着いています。交通量も少なくコタキナバルと比べるととても静かでした。街に沿って川も流れており、東南アジアらしいゆったりとした時間が流れています。

街の横に流れる川。水の色は茶色いですが東南アジア感があって良いです。
バスへは余裕を持って5分前に戻りました。
マレーシア出国
ラワスから約30分程でマレーシアとブルネイの国境に到着しました。
まずはマレーシアの出国審査を済ませます。出国審査が終わればバスに戻ります。

マレーシアの出国審査場。屋外にあります。車用の出国審査場を使いました。
ブルネイ入国
マレーシアの出国審査場からバスに乗り少し進んだところにブルネイの入国審査場があります。
乗車前もらった2枚の入出国カードの内、記入済みの1枚をパスポートと一緒に提出しました。
入国カードのみ回収され、スタンプが押された出国カードが渡されるので、これを無くさないように持っておきます。
最終の目的地、ブルネイでの滞在日数を聞かれました。

ブルネイの入国審査場です。
ブルネイの飛び地を通過
ブルネイに入国後はブルネイの飛び地を通過しました。通過だけでどこにも停車はしませんでした。飛び地の距離は約30キロほど、20〜30分で横断できます。
ブルネイの飛び地はマレーシアに挟まれた言わば孤島です。飛び地でここを通る人はほとんどが通過のみでマレーシアへ再び抜けると思っていたので景観も変わらないと思っていましたが、よく見てみると両国で異なった点がありました。
それは道路です。マレーシアの道は路肩が無く(あっても狭い)、道も補強されずガタガタで、山や草原の中に無理やり道路が引かれているといった印象でした。

これがマレーシアの道です。路肩がなく、よく見ると道に凹凸があります。
一方ブルネイの道は路肩が広く余裕があり、補強がなされているためバスがガタガタと揺れることが少なかったように思いました。道路が計画的に引かれているため、カーブも緩やかな印象がありました。日本の道路に似ていると感じました。

ブルネイの道です。よく見るとマレーシアの道との違いが分かります。
ブルネイ出国
飛び地を通過し終えたら、再びイミグレーションです。ブルネイを出国しました。
ブルネイの出国カードをパスポートと一緒に提出しました。
審査が終われば再びバスに乗り、マレーシアの入国審査場へ出発します。

ブルネイの出国審査場です。屋内にありました。
マレーシア入国
再びマレーシアに入国です。計8回ある入出国審査の内、6回目になります。
各入出国審査場には大抵トイレが備わっているので、助かりました。

マレーシアの入国審査場です。マレーシアは入出国カードの記入が不要なので楽でした。このあたりまで来ると陸路での入出国審査に新鮮味を感じなくなってきました。
リンバンで小休憩

リンバンの街並み。マレーシアの小さな田舎町といったところでしょうか。
マレーシアに入国後、20分程でリンバン(Limbang)という小さな街に到着します。ここで15分程の小休憩がありました。
バスは大衆食堂の前に停車しました。トイレ休憩、テイクアウトで料理の注文ができます。

バスの停車場の前にあった大衆食堂。
小腹が空いたのでミーゴレンを注文しバスの中で食べました。

中華風のミーゴレン。このミーゴレンが一番美味しかったと思います。
リンバンに在住の人はここで降車していきました。
マレーシア出国
リンバンから約1時間でマレーシアの出国審査場に到着しました。これがこの旅で最後のマレーシアのイミグレーションとなります。
これまでの入出国審査場はどこも空いていて並ぶことはなかったのですが、ここのマレーシアのイミグレーションは結構混んでいて車の行列ができていました。

マレーシアの屋外にあるイミグレーション。一般乗用車の間に入れてもらって出国審査を済ませました。
ブルネイ入国
マレーシアを出国後、再びバスに乗りブルネイのイミグレーションに移動します。
2枚目の入出国カードとパスポートを提出し、ブルネイの入国スタンプを押してもらいました。
これで晴れてブルネイに入国です。

ブルネイのイミグレーション。これが最後の入出国審査となります。
バンダル・スリ・ブガワンへ
ブルネイ入国後、バスは目的地のバンダル・スリ・ブガワンへと進んでいきました。
ブルネイの道路はマレーシアと比べると、綺麗に整備されているように感じます。また、路肩の景観なども意識して作られていると感じました。
ブルネイの大地を走行してしばらくすると激しいスコールに見舞われました。道路には雨水が滝のように流れていました。
バンダル・スリ・ブガワンに到着
バスは17時30分頃にバンダル・スリ・ブガワンに到着しました。
バスが到着したバス停はダウンタウンの真ん中にあります。
↑バンダル・スリ・ブガワンのバス停↑
僕はバス停から徒歩1分のところにあるJoy Downtown Rest Stationという宿に宿泊しました。
この辺りはレストランやスーパー、コンビニ、銀行、両替所、お土産屋、ショッピングモールなどが密集しているため、色々と便利でした。

お土産屋さん。

レストラン。

銀行のATM。
復路
復路も同様にこのバスを利用しました。
ルート、入出国審査、休憩の場所・時間などは往路と何ら変わりはありませんでした。
バンダル・スリ・ブガワンのバス停にはチケットの引き換え場所がないので、バスの乗車時にEチケットをチケット代わりにそのまま運転手に渡しました。
また小さな売店での小休憩はありませんでした。
まとめ
コタキナバルからバンダル・スリ・ブガワンへはバスで約9時間とかなりの長旅でしたが、日本の夜行バスのような苦痛な感じは全く感じませんでした。
休憩・入出国審査の時間を除くとバスに乗っている時間は6時間程で、寝たり、車窓の景色を眺めたり、日記を書いたりしていました。
日本では味わえない陸路国境超えを何度も体験でき、満足でした。運転手の人も優しく、休憩の時間や出発の時間などを細かく教えてくれました。
しかし、バスは昼行で所要時間が約9時間と1日のほとんどを移動で終えることになりました。短期旅行や時間を重視したい方は飛行機での移動が良いかもしれません。飛行機だと所要時間は約40分、時期にもよりますが往復で1万円ほどでありました。